「 オーストリア人が好きな、オーストリア人百人」  オーストリアからのメール  ネガホリックの真相とは?(その

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ネガホリックの真相とは? (その

                                                                                                                               
 

 ■ネガホリック

 
この言葉、聞いたことがありますか。昨年、クリスマスを三日後に控えた、あるセミナーの席上、セミナー講師を18年間やっているという人(セミナートレーナー)の話の中に出てきました。

 言葉に対しては敏感なわたし(と思っている)、特に始めて聞く言葉には直ぐに反応してしまうのですが、今回始めて聞きました。この分野においては既に常識となっているらしいのです。


 その初日の、セミナーのタイトルは、「良き販売員とは?」でした。講師の話しを15人程のセミナー参加者にただ単に受身的に聞いて貰うというのではなく、受講者全員にテーマについて積極的に参加させ、思うところ、考えるところを一人一人に例外なく発言させる機会を与え、参加して良かった、得をしたと感じるようにさせる、そんな「“良き販売員”短期養成セミナー」と言えるでしょうか。

 あなたが考える「良き販売員」を定義してみなさい、ということでした。どうあるべきか、どう思うのか、あなたの言葉で説明してごらんなさい、と。色々と答えが出て来ました。日本人はわたし一人だけ、トルコ人 女性とポーランド人女性一人ずつ、残りはオーストリア人の男女。全員再就職(転職)志願者です。



 
買い物をするためにお店に入って行きます。そこには勿論、店員、販売員が待っているのですが、販売員と接した今までの経験から、各自の立場で販売員の理想像を描き出そうとしていたと言えます。

 オーストリアではわたし自身も時に体験すたりするのですが、お客がお店に入って来ても、何らの挨拶もしない販売員、ブスッとして笑顔も見せない、 腕を組んでじっと待っているのか(誰を? お客を待っていたのではなかったのだろうか?)、話し掛けても無視するかのような応対振り、外国人だからと敬遠して逃げて行ってしまうのか、捕まえて質問しても納得の行く答えが返って来ない。                              

 事例を挙がれば切りがない。まあ、そのお店の販売員教育がちゃんと出来ていない、ということなのでしょうが、そのような宜しくない販売員の例を引きながら、良き販売員とはこうではなければならない、といった発言が相次ぎました。


 セミナー参加者は皆、良き販売員を目指している訳ですが、結局、トレーナーはそこで何を各自に悟らしめようとしていたのか。わたしが思うに、良き販売員になることとは要するに「“自分自身”を如何に良く売るか?」 ―― この点をもっと自覚的に意識するように、ということのようで した。
 

 自分を如何に良く売り込むか。これは今日、ヨーロッパでは大きな問題と言えないでしょうか。例えば、ドイツでは4百万人前後の失業者!ちょっと数字が大き過ぎて想像が付き難いかも知れません。オーストリアでも失業者、特に若い人たちの失業率が高いと言われているのですが、結局、自分自身を如何に良く売り込むか、ということが求められているという話。



 企業からの人員募集一人の所に、普通300人前後の就職の応募申込が郵送されてくるそうです。応募者はまず書類選考で篩い掛けられ、それに通ればインタビュー(面接)に招待され、その後更に篩いに掛けられ、最終的に企業が求める、そのたったの一人として採用されるあなたとなるのか 、どうなのか。

 採用者側は一人しか必要としない。あなたにもその一人となれる可能性はあるとしても、最終的に如何にその一人として選抜採用されるか、そのための戦略、作戦が必要だということです。如何に自分のことを力強く印象付け、自分を売るか、つまり買って貰う。あなたは自分自身を販売する立場にあるのです、と。採用者側があなたを迎え入れたいと欲するようにさせるのはあなた自身なのです、と。



 さて、販売員としての、基本的な最低限のスタンスとは何かというと、ネガティヴィティ(陰気な雰囲気)を醸し出す人であってはいけない。陰気な人、否定的な人を採用したいとは誰だって思わない。そうでしょう!? あなたが採用者の立場だったら、ネガティブな人を採用します? 絶対に採用しません!

 販売員本人がネガティブな要素を多分に抱え込んでしまっていては、またはそういった陰的なものから解放されていないならば販売員としては失格だ、ということです。


 



 ■わたしの辞書には載っていない


  
かのナポレオンが言ったとか言わなかったとか。
 
  ―――「我が辞書には“不可能という文字”はない!」


 外国語を習得しようとしている人(わたしのことでもあります)にとっては日常茶飯事的なことだと思いますが、人(この場合は外国人を指します)の話を聞いたり、本(外国語の本等を指します)を読んだりしていると、知らない、聞いたこともない言葉、単語に結構遭遇します。

 目の前にその人がいれば、その人に直接質問してその意味を聞けますが、いなければ手元の辞書を紐解いて、その新しい単語の意味を調べ、自分のものにしようとします。でも直ぐ忘れてしまうことがしばしば。一度で覚えられなければ、二度、三度と繰り返しながら 工夫して覚えて行くしかありません。母国語の習得も実は同じように繰り返しの過程を経て習得してきた事実を知るのです。因みに、今回、手元の辞書を引いてみましたが、この言葉、ネガホリック、この単語は出てきませんでした。



 さて、セミナーの席上、この言葉を聞いて、最初、「おやっ、これは聞いたこともない言葉だ」と関心を惹かれながらも、外国語を長年学ぶ過程で習得したとも言える想像力、連想力を動員してみた結果何となくその意味が分かるような気がしました。

 結構昔のことでしたが、日本人の働きぶり、働き過ぎが海外で結構話題になったことがあります。アルコール依存中毒者のことを アルコホーリック   alcoholic と表現するのを受けて、仕事ばっかりの、仕事しか関心がないような“仕事”中毒者のことを workaholic と表現していました。

 今回、ホーリックを耳にして、「ネガホリック」の意味を語源的に推測したのですが、ネガとは nega のことでしょう。つまり negative ネガティブと関連性があるようだ、否定的、マイナス的。ホーリックは holic のことでしょう。ふたつ合わせて negaholic。ネガティブなことに毒されてしまっている人、ネガティブな人のことですね。



 

 ■誰がネガホリックなのか?

 「これはもしかして自分のことを指して言っているのではないのか!?」 

 勿論、朝起き上がってから夜寝るまでの日中、また睡眠中にもそんな状態にある自分とは思っていないのですが、時にそういう自分であることを意識し、自覚し、そうした自分のちょっとした‘不幸、不運’からいつ開放されるものなのかとその時を待っているかのようでもある。意識している時もあれば、無意識的である時もある、と書いた方がより正確でしょうか。

 頭の中で語源的な分析をしながら、早口のトレーナーの話(ドイツ語)に遅れまいと聞き耳を立てていると、確かにそんな風に思い当たる節もあるのです。首肯できる。尤も、この世の中、そういう人が結構多いということで話が続いていたようです。わたしのことを取り立てて話題にしていたということではありませんでした。

 

 

 ■SCHON と NOCH

 次の一例は結構有名なので良く引き合いに出されますが、ドイツ語で聞いてみると、新たな印象を受けるものです。――コップの中に液体 が半分入っているのを見て(あなたの好きなジュースでもビールでも何でもよい、またはボトルの中に半分ワインが入っている)、「はい、あなた、それをどう捉えますか?」という話。


 「あれれ、もう半分しか残っていない! 」 ――  ”もう”をドイツ語一語でSCHON

  または

 「あれまあ、もう空(から)になってしまった!」


 それとも

 「おお、まだ半分も残っている!」 ―― ”まだ”をドイツ語一語でNOCH



 ガホリックな人とは文字通りネガティブに、マイナス的にモノゴトを思考する人のことだそうです。「もう半分しか残っていない!」と悲観的に、消極的に、否定的に、陰的に思考し行動する――― しかも衝動的に やってしまう人。

 逆にプラス思考をする人だったら「まだ半分も残っている!」とポジティブに、楽天的、積極的に、肯定的に、希望的に、陽的にモノゴトを捉える人、または捉えられる人。


 「もう−“半分しか”−残っていない」SCHON と捉えるか、

 それとも

 「まだ−“半分も”−残っている」NOCH と捉えるか。


 さて、あなたはどちらに傾きますか。その時の状況、気分に拠るということでしょうか。


 どんな商品を売ろうとも、つまり自分自身を売ろう(”自分自身”を“商品“と看做して ”売る“ などと書くと変に響いてきますが、、、
、)とも、モノを売る本人自身がネガホリックであっては成功し難いという話です。


 一般論として、 その理由は色々とあるのでしょうが、人間(あなたもわたしも、ということですね)は多かれ少なかれ、時にはネガホリックになるのが普通と言われています。



 

 ■ネガホリックな人とは?

 
さて、家に戻って、この言葉についてもっと仔細に知ろうと調べてみました。

 この「ネガホリック」という言葉を最初に使い始めた人とはアメリカ人女性のようです。

 著者の名前は Cherie Carter-Scott。

 著書の題名はちょっと長いですが、「Negaholics−How to Overcome Negativity and Turn Your Life Around」。1989年に初版が出版されています。 Negaholics: How to Overcome Negativity...



 
この方の著書の内容を手際良くまとめた記事を参考に以下では少し詳しく調べてみましょうか。

 先ず、ネガホリック(”衝動的に”ネガティブな人)と言っても、詳しく見ると、大きく4種類に分類出来るということです。


        
1.態度姿勢がネガティブな人 Attitude Negaholics

          2.行動がネガティブな人 Behavior Negaholics

          3.精神的にネガティブな人 Mental Negaholics

             4.ネガティブな言葉を吐く人 Verbal Negaholics
 

 つづく (^o^)
 

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